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大学院留学の現状
大学院留学の現状
大学院留学の現状
日本では大学院というのは大学専門分野より深く学びたい人々が大学卒業後続けていくケースが一般的だが、オーストラリアでは大学卒業後、いったん就職して経験を積んだ人々が更なるキャリアアップを目指して、あるいは職場におけるポスト維持目的として大学院に戻るケースが多数を占める。従ってオーストラリアの多く人は働きながらパートタイムで大学院に通う者も少なくない。
コースによっては大学卒業後就職経験があることが入学条件であるコースもあり、MBA(Master of Business Administration)が例に挙げられる。
実践あっての理論」とも言うべき、学生の就職経験が大学院では極めて重要となる。オーストラリアの殆どの大学院のコースでは海外留学生も受け入れているが、留学生が就職経験無しにオーストラリアの大学院に入学した場合、極めて厳しい状況に置かれることになる。
大学院とは?
大学院はおもに修士過程(Master)とPh.D(またはDoctor)からなるが、修士過程の前の段階としてGraduate Diploma/Postgraduate Diplomaを修士過程の準備コースとして設けている。Graduate DiplomaとPostgraduate Diplomaとの違いは本来はに大学院で学士過程で学んだ専門分野と違う分野に進むとき、準備コースGraduate Diplomaを受け、その後修士過程に進学することになる。
大学院学位取得には3つの方法があり、 研究主体のリサーチワークそして、 ゼミ、講義、3000−4000語程度の論文提出、テストが主体となるコースワーク、コースワークと後半にリサーチとその論文15000−20000語程度のものを完成するリサーチとコースワーク混合型 がある。
リサーチワークは指導教官のもとで研究を続け数万語程度の論文を提出する。リサーチワークで学位取得するには、研究の方法に関する専門知識がなくてはまず不可能であり、その上非常に高度な語学力を要するため、留学生はできる限りコースワークを選ぶのが賢明だと言ってよい。
大学院で必要な英語力は?
事実上、日本の大学を卒業し、ある程度の英語力がつけば、大学院への進学が可能になる。英語能力だけでいえば英語能力試験のスコアでIELTS6.0 やTOEFL560点以上をとると大学院への入学許可が得られる領域内にはいるわけである。TOEFLやIELTSで必要得点を取り日本から直接大学院に入学する留学生も多い。
大学院のコースワークではゼミ、研究発表、論文、デイスカッション、テストなどの授業活動はバラエテイーに富んでいる。毎週膨大な量の書物を読破するようにいわれそれをこなさなければ次週の授業についていけない。科目毎の評価はクラスでの積極性、授業への貢献度、テスト、研究発表、3000−4500語程度の論文などである。一般に日本人の学生が一番不得意とするのはクラスまたはグループデイスカッションで、自分の意見を発表し、講師や他学生かまわず、自分が違う意見を持っていればそれにどんどん反論しそれを論理的に裏付ける能力が無ければ、クラスで黙って座っているだけになり、いくら知識を持っていても、クラスでは能力が無いとみなされる。研究発表にしても、オーストラリア人の多数いるクラスで前に出て英語で発表するためには、英語の会話力においてかなりの自信を要する。自分の英語会話力に劣等感を持ち、文法的な間違いが気にかかって、クラスでどんどん自分の意見を発言できない学生にはとても苦痛な授業も多い。自分から積極的に働きかけ、自分で学んでいかなければ生き残っていけないわけである。
次に挙げるのは大学院就学者の体験談である。
Aさんの場合
私は日本の大学卒業後、英会話学校に2年勤務、勤労経験は非常に短かったのですが、雇用者がうまく勤務内容書類を作成してくれたので、K大学のMBAから入学許可をもらいました。入ってみれば何とかやっていけると軽い気持ちでMBAに入学したものの、頻繁にグループでの研究発表があるので毎週空き時間を利用してグループで集まり、話し合わなければならないのですが、他のメンバーは業界で10年以上も勤務経験のある人ばかりで、あまりビジネスの経験がなくて状況の把握できず、その上英語もままらない私は話し合いに入っていけないどころか足手まといで、非常に憂鬱です。
オーストラリア人や欧米からの留学生の多くゼミや講義では前の席に座り、講師に質問したり、異論を述べたり活発にしていますが、アジア系の留学生は後ろのほうに固まって座りおとなしくそのやり取りを聞いているだけです。授業での貢献度や積極性はその科目の評価に入るので目立とう精神で必死な学生も少なくはありません。日本で教授の講義をきいてノートを確実にとるような勉強法で、講師の言ったことに反論するなどタブーである環境に慣れてきた私にとって、授業で質問したり、ましてや異論を述べるなど到底できません。授業であてられても他の経験豊富な学生が私の発言を聞いていると思うと緊張して何も言えず、クラスでも私が能無しに見られているのかと思うと学校に行くのもいやになります。
Bさんの場合
オーストラリアの高校教師の免許を取りたかったのでM大学でGraduate Diploma in Education というコースに入学しました、高校では普通2教科を教えなければならないので、日本で大学の英文科卒だったので「日本語」と「第2外国語としての英語」との2教科の教育法を専攻することになりました。一番つらかったのは「第2外国語としての英語(ESL)」の教育法ゼミの一番最初の授業が終わった後、講師に「あなたは英語を母国語とせず、まだまだ英語力が足りないからこの授業は無理です。」といわれました。ちゃんと大学から入学許可をもらって入学したのに、講師から拒絶されるなんて考えても見ませんでしたし、学費を納入してからこんなことを言われるなんて卑怯だと思いました。また、コースの一環として40日間の教育実習をしなければならず、留学生で英語を母国語をしないというだけで「あなたには教育実習なんて無理だからあきらめて日本に帰りなさい」と差別的な扱いをうけました。こんなことがあって、仕方がないので英語教育法とその教育実習だけをのぞいて、残りの単位(日本語教育法とその教育実習、一般教育専門科目など)を全部終了し、その英語教育法と教育実習部分だけを違う大学N大学で受けました。N大学は留学生や移民の学生へのサポートシステムがしっかりとしていて、そのおかげでその残りの部分を修了し、晴れてGraduate Diplomaを修了し日本語教師と、第2外国語としての英語(ESL)教師の免許を取得することができました。お金儲け主義のM大学の態度と海外留学生への対応のずさんさに閉口しました。 IELTS、TOEFLのスコアはあくまでも基準で、実際大学院に入ってから問題になってくるのはいかに大学院への勉強に対する準備ができているかであり、それを軽んじて「はいれば何とかなるだろう」と気軽に大学院に入学してから結局苦しむのは自分だ。 大学院に入学して成功するためには 一番大切なことはTOEFLやIELTSのスコアのみで大学院に入学できるかを判断するより、大学院でやっていくためのスキル、つまり英語そのものの能力だけでなく批判的なものの考え方、研究発表、長論文でいろいろな視点から論じられる思考の柔軟性に長けているか、そして膨大な量の書物を短期間で読破できるか、などの能力が実際身についたかが重要だ。
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作成: 200842月14日(木)11:49
更新: 200837月23日(水)13:20
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